整形外科の看護師は、包帯や副子の固定など負傷部位を手当てすることが多く、手先の器用さが必要です。整形外科の患者は次から次へとひっきりなしに訪れるので、要領良く作業をこなすことが求められます。また、整形外科の患者は幼児から高齢者まで年齢層が幅広く、看護師はどんな世代でも上手く相手をするコミュニケーション能力が欠かせません。さらに、手術が多い整形外科では、通称オペ看と名付けられた手術看護師の役割も担います。
手術では、臨機応変に患者の容態変化に対応できる柔軟さと手際の良さが大切です。個々の手術に必要な器具を準備するだけでなく、手術中も医師の指示を先回りするくらいの機転が求められるでしょう。特に、動脈や神経を傷付けるリスクが高い手術では、ミスがないよう万全の体制を看護師が整えなければなりません。医師をリラックスさせる気遣いも、手術を成功させるポイントでしょう。こうした業務をこなせるオペ看は、優秀な看護師として他診療科でも重宝されます。
そして、脊椎損傷や頸椎骨折など深刻なダメージを負って再起不能の状態に陥った患者に対しては、きめ細やかなメンタルケアが不可欠です。整形外科の看護師は、身体が動かなくなり絶望の底にいる患者に寄り添い、心理的に立ち直れるようサポートするスキルも求められます。したがって、整形外科の看護師は身体の仕組みや外科的治療法に加えて、心理療法やメンタルサポートの知識を身につけることも大切です。